人生の道しるべ~わたくしが旅から学んだこと 兼高かおる

魅力的な年上の方がいてくださると、本当に勇気づけられます。
尊敬できる先輩の存在は、前向きな人生に必要です。
以前もこう書きました。

(それが幻想であったとしても)ロールモデルになる、目標になるのは年長者のつとめです。「ああいう風に生きてみたい」と思える大人がいる社会は、希望のある社会です。憧れて目標にできる年長者がいれば、未来を前向きにとらえられます。年を取ったらああなれるんだ、と年齢を重ねることをポジティブに感じられます。

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最近見た丸山ゴンザレスさんの動画でも、改めてロールモデルって大切だと感じました。
動画内で「尊敬できる大人が周りにいるかどうかで、子どもの人生は大きく変わる」という話をしていたのです。

ロールモデルって、大切。
尊敬できる年上の人、大切。
そう思っていたせいか、荒川和久さんのこんなポストに目が引き寄せられました。

まあ、素敵な人!
兼高かおるさん?
存じ上げませんでした。不勉強でお恥ずかしい限り。

ここにも魅力的なロールモデルがいる気配。
早速この本を手に取ってみました。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! (Amazon)

上の荒川さんのポストにあった「去る者は追わず、来る者は選べ」。
このページを開くと――

物事が思い通り、計画通りに運ばなかったとき、そのことを惜しみ悔やむのか、人生の休み時間とありがたく受け止めるのか。わたくしは後者のタイプです。

「これも運命だ」と思って去る者は追わない。
そのときに逃がしたからといって、もうダメなのではなく、きっと次が来るはずなのです。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p28

素敵。
ポジティブ。

物事はやろうと思えば必ずできる。
困難なことを考えすぎて、やる前に「できない」と思って一歩を踏み出せない人が大勢いますが、自分でも気が付かない眠ったままの才能があるものです。

用心しながら失敗を回避していくのも一つの生き方ではありますが、やってみて崖から落ちるのも大切な経験。痛い目に遭うのも自分の運命なのですから。

自分がやりたいと信じることは、きっとできる。
わたくしはあのころも、そして、今でもそう思っています。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p33

兼高さんはタフティがいうところの「アドバンテージ」を最大限に生かしている人ですね。
ネガティブをポジティブに変換する。
不運も幸運に変えてしまう明るさ。

人生においては、いい人との出会いが大きな運をもたらします。

自分にどんな才能があっても、それを認めてくれる人、発見して伸ばしてくれる人、それを世の中に広めてくれる人がいなければ埋もれてしまうのです。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p42

人とかかわること、人から学ぶことの大切さを兼高さんも人生の中でつかんできたのでしょう。
人とのご縁は宝物。だからこそ「去る者は追わず、来る者は選べ」。

”笑顔”は世界中、どこでも通じる共通言語。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p45

この本の表紙の兼高さんも素敵な笑顔でした。
笑顔は無敵ですね。

兼高かおるさん死去 誰もマネできなかった「美貌、品の良さ、こだわり」 | 東スポWEB

こちらは1962年の兼高さん。
兼高さんの画像を検索すると、笑顔の写真がたくさん出てきます。

わたくしは特定の宗教は信じていませんが、「わたくし専用の神さま」がついていてくださると信じています。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p69

わかります。
この感覚、共感する方多いのではないでしょうか?
人によってはそれを「指導霊」や「守護霊」や「ガイド」と呼ぶのでしょう。

人生は、世に尽くし、自分も幸せになることが大事です。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p94
飛行機(昭和33年)▷パンナム機で兼高かおるが世界一周 | ジャパンアーカイブズ – Japan Archives

画像は1958年、30歳の頃の兼高さんです。
兼高さんは世界中を旅し、外国の様子を日本の人びとに伝えるために尽力しました。自分が楽しむだけではなく、多くの人に旅の楽しさを伝えようとしたのです。旅によって得られる人生の豊かさを。

道しるべになるような言葉を自分の中に持っているかどうかは、いざというときに大きな違いが出ます。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p122

よく「自分軸が大切」と言います。
自分軸が持てる人と持てない人。その違いは、この「道しるべになるような言葉を自分の中に持っているかどうか」なのかもしれませんね。

2017年「徹子の部屋」出演時。亡くなる2年前、88歳

年を重ねると時間はあると思っている人が多いと思います。では、何がないかと言えば健康。ここまでは想像がつきました。
でも、実際に高齢者になってみて気が付いたのは友人がいなくなることです。

小さい時から、わたくしは兄の友人とばかり遊んでいましたが、その男友だちたちは皆、亡くなってしまいました。(中略)友だちがいなくなるというのは自分の人生の勘定には入れていませんでした。(中略)

そこで、最近は年下の友人たちと遊ぶようになりました。(中略)
わたくしが一番年上です。でも、年齢は違ってもお互い、長年、仕事をしてきた者同士、熱中するものを持っている者同士というのは、やはり話題が合うのです。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p170~171

そうなんですよ。
熱中するものを持っている同士は、話題が合うのです。
真剣に仕事に打ち込んできた同士は、わかりあえるのです。

ですから、私はビジネスと向き合う人が大好き。
仕事を愛している情熱のある人と接するのは、なんて幸せな時間なのでしょう。自分もエンパワメントされて、インスピレーションがわいてきます。プロフェッショナルな仕事人は、この世の光であります。

そして、好きなことを語らう楽しさ。
私は乗馬クラブで、20歳年下の男性とこんな会話をします。

アップが逃げたら〜? 追うしかな〜い⭐︎

共通の「好き」があると、世代が違っても一緒にいて楽しい。
打ち込める趣味があるって大切ですね。

人生のフェーズによって人は成長し進化します。アップデートします。
そうした時に、友人関係も変わっていくほうが自然ではないでしょうか。兼高さんのように友人が亡くなっていってしまうケースもあるでしょうし、気が付いたら古い友人と疎遠になったり話が合わなくなってしまうケースもあるでしょう。

だから、新たな友人を作る、世代の違う友人を作るというのは40歳を過ぎていくと大変重要なミッションとなります。新たな友人ができると、人生に新鮮な風がふきこみます。人生にウキウキ・ワクワクが戻ってきます。

人は平等ではありません。だからこそ、それぞれが異なる良さと欠点を持っているのです。

与えられた天与もあるでしょう。親から受け継ぐことも、また、自分の環境でその道に入ることもあるでしょう。でも、いずれにしても自分が育てるのです。宝石だって原石はただの石ころみたいなものですが磨くから美しく輝くのです。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p195
太字強調は記事作成者による

ないものねだりをするのではなく、今の自分を受け入れてすでに自分が持っているものを育てる。

そうなんですよね。
天は、既に必要なものを与えてくれている。
そこに気づけるかどうか、そこに感謝できるかどうか。

私たちは既に必要なものはすべて持っているのだから、あとは育てられるかどうかなのです。

かつて人生の先輩が言っていました。
「棺桶に入るころ、人生を振り返ってみれば、自分は誰よりも幸せでも不幸でもなくみんなと同じ人生だった」と。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ! p201

この言葉。
衝撃を受けました。
「私の和裁の師匠と似たことを言っている」と。

師匠もこう言いました。
「結婚なんてね、誰としたって同じよ」

当時30代だった私に、その言葉は衝撃でした。
その和裁の師匠は、銀行マンと結婚しマイホームを建て三人の子どもを育て上げた後はトイプードルを愛でる、悠々自適の生活を送っていたからです。

そんな女性が、「誰と結婚しようが同じ」なんて言うのですよ。いやいや、昭和の銀行マン(超安定高給取り)とご結婚されたからこそ幸せな生活ができたみたいな発想はないわけですか!?

浅はかな私の問いに、師匠は
「誰と結婚しようと、良い面・悪い面どちらも必ずある。その良いところも悪いところも両方飲み込むのが結婚生活なんだから、どんな人と結婚したって同じ」
と答えました。

斎藤一人さん風にいうと、どんな人と結婚してもそれは魂を磨くための修行であるということですね。

「棺桶に入るころ、人生を振り返ってみれば、自分は誰よりも幸せでも不幸でもなくみんなと同じ人生だった」というのも、人生トータルで見ると良いこと悪いことも誰にでも訪れて、おしなべたらだいたいみんなと同じだった、と。

これも実に滋味深い言葉です。
マヤの言葉でいうところの「インラケチ」。あなたはもう一人の私です。
人は鏡。そして、ワンネスの視点からすると集合無意識的にはみんなつながっている。みんな同じ。

誰もが男であり女であり、富豪であり貧民であり、父であり母であり、息子であり娘であり、王であり商人であり海賊である。貴人であり召使であり娼婦である。

長い生まれ変わりの人生を並べてみると、どんな人も大抵似た経験をしてきている。つまり、「自分は誰よりも幸せでも不幸でもなくみんなと同じ人生」

その中で魂が必要な設定を切り取って今の人生を経験してきた、というわけです。
トータルすれば、みんな同じなのです。
ワンネスです。

だからこそ、今の個としての人生を思い切り生きればよいわけです。
それが魂の体験したいことなのだから。
一番の学びになることなのだから。

そうすると、あなた自身が「いつかこうなりたい憧れの先輩」になります。
憧れの人がいる世界は、希望があります。
あなたは誰かの希望になります。

魂の使命を果たしてくださり、ありがとうございます。